ヨーロッパ連合(EU)の初代大統領で、元ベルギー首相のヘルマン・ファンロンパウさん(78)が作った俳句の石碑(句碑)が、千葉県勝浦市にある長秀寺というお寺に建てられました。外国人の俳人の句碑が日本に立つのは、これが初めてです。
この石碑には、江戸時代に起こったある歴史的な出来事についての俳句が刻まれています。1609年、フィリピンからメキシコへ向かっていたスペインの船「サン・フランシスコ号」が、現在の千葉県御宿町の海で嵐のために座礁しました。その時、地元の漁師や海女たちが海に投げ出された317人の命を救いました。ファンロンパウさんはこの話に感動し、「寛容の繋ぐ浜辺や平和の海」という俳句を作りました。
石碑は高さ約130センチ、幅約170センチで、ファンロンパウさんが詠んだ英語の俳句と、その日本語訳が書かれています。お寺の境内からは、その船が座礁した海を見渡すことができます。
この石碑を建てることを提案したのは、御宿町の俳句愛好会「若菜会」の会長、岡西宣江さん(91)です。岡西さんは2014年にベルギーで開かれた俳句のシンポジウムでファンロンパウさんと知り合い、交流を続けてきました。
7月9日に行われた除幕式には、国内外からたくさんの俳句関係者が集まりました。ファンロンパウさんは、「俳句には人々をつなげる力があります。だから私は作り続けてきました。俳句の母国である日本に自分の句碑が建てられたのは、とても名誉なことです」と話しました。