今から約7000年前の石器時代、山奥の湖に自力でたどり着けないはずの魚をわざわざ人間が運んで放流し、木製の「わな」を使って持続的に捕まえていたことが分かりました。従来のイメージを覆す、古代の狩猟採集民による計画的な資源管理の姿が浮き彫りになっています。
ノルウェーの標高の高い場所にあるテッセ湖では、もともとブラウントラウトという淡水魚しか生息しておらず、鳥などが自然に運んだとは考えにくいとされていました。2022年に湖の水位が下がった際に発見された木製の仕掛け網やわなを分析したところ、最も古いわなは紀元前4950年ごろに作られたことが判明しました。さらに、年輪の調査から、このわなは約2000年間にもわたって定期的に修理や点検をしながら使い続けられていたことが確認されました。
古代の人々がどのようにして活発な魚を山の上まで運んだのかは解明されていませんが、水筒のような容器に水と共に入れて移動した可能性が指摘されています。夏の間、山でトナカイを狩るだけでなく、安定した魚の食料を確保できたことで、狩人だけでなく家族全員で長期間滞在することが可能になったと考えられています。