人工知能(AI)がゲームの画面を見て状況を把握し、コントローラーを自ら操作して不具合を探す——そんなゲーム開発の自動化が現実になろうとしています。ゲーム大手のスクウェア・エニックスは、ゲームの品質を検証するQAテストの自動化に、GoogleのAI「Gemini」を活用していることを明らかにしました。
同社が公開した動画では、AIが与えられたタスクに従って自らゲーム内の地図を開いて目的地を確認し、キャラクターを動かして検証作業を進める様子が示されました。画面上にはAIの思考過程やタスク一覧が表示され、複雑に変化するゲーム画面や音声を理解しながら自律的にプレイしています。開発基盤にはGoogle Cloudの「Gemini Enterprise Agent Platform」が採用されています。
ゲーム開発におけるテスト作業(QAテスト)は、膨大な時間と労力がかかることが大きな課題となっています。スクウェア・エニックスの荒牧岳志氏は「現場が求めていたのは、文字のやり取りだけでなく、画面を見て音を聞き、状況を理解できるAIだった」と話し、マルチモーダルAIの有用性を強調しました。テスト作業を自動化することで、開発者がより創造的な仕事に集中できるようになり、開発期間の短縮も期待されます。同社はテスト設計から画像・テキストのチェックまでを自動化する基盤を構築するほか、8月には「ドラゴンクエストX オンライン」で対話ができるAIバディを実装するなど、プレイヤー体験と開発現場の両面でAI活用を進めていく方針です。