若手研究者が執筆した論文がSNSで著名な学者に紹介されると、求職活動で有利な結果が得られることが新しい研究で明かになった。特に自身の研究成果を発信する機会が少ない傾向にある女性研究者において、その効果が顕著に表れている。
米国のミシガン大学の研究チームは、経済学の博士号を取得した求職者519人を対象に、X(旧Twitter)を活用した実証実験を実施した。平均して約1万3450人のフォロワーを持つ著名な経済学者80人に協力を依頼し、一部の求職者の論文投稿を引用リポストで紹介してもらう介入を行った。
その結果、著名学者に紹介された投稿は閲覧数が大幅に増加し、採用選考の後半段階であるキャンパスでの講演(フライアウト)への招待件数が平均で20%増加した。さらに内定獲得数においても、女性研究者では紹介されなかったグループに比べて0.9件多い内定を得るという明確な差が見られた。
分析によると、SNSでの拡散力や添えられた言葉よりも、紹介した学者の「学術的地位(論文の被引用数)」がより重要であることが判明した。研究チームは、「誰がその研究を共有するかが、どのように共有するかよりも大きな影響を与える」と指摘しており、SNSが学術界における不均衡や格差を解消する一助になる可能性を示している。