農村や農場で育った子どもは、アレルギーやぜん息になりにくいことが知られています。この現象は「農場効果」と呼ばれていますが、ドイツの研究チームがこの効果を引き起こす特別な細菌を特定しました。将来、牛舎に行かなくてもアレルギーを予防できる薬の開発につながる可能性があります。
ミュンヘン大学などの研究チームは、南ドイツの農村部に住む1018人の小学生から、鼻の粘液や寝具のホコリを採取して分析しました。さらに農場で暮らす47人の子どもからは、牛舎のホコリも採取しました。
解析の結果、研究チームは農場効果に関係する9種類の細菌を特定しました。これらの細菌は牛の消化管に存在し、牛舎のホコリの中では微生物全体の25%を占めていました。自宅のマットレスでも6%を占めていました。研究者によると、これらの細菌はぜん息予防効果の3分の2、花粉症や湿疹の予防効果の半分に関わっているとされています。
これらの細菌が生み出す物質を人間が吸い込むと、呼吸器の細胞にある受容体が反応し、過剰な炎症を抑える働きをします。牛舎の空気を通じて細菌の物質をほどよく吸い込むことが、免疫の過剰反応を防いでいると考えられます。
研究チームは「今回の発見により、子どもたちが実際に牛舎で過さなくても、農場効果と同じ仕組みでアレルギーを予防できる薬をつくれる可能性がある」と説明しています。