投球フォームの動画をAIに見せると、「体の開きが早い」と指摘が返ってきた——。今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)に出場する高校球児たちの間で、生成AIや専用アプリを練習や体調管理に活用する動きが広がっている。
天理高校(奈良)の新井幾大投手(3年)は、冬の間に球速を上げる方法をAIに相談した。自分の投球フォームの動画を送ると、課題の指摘とともに具体的なトレーニング法が示された。アドバイスを参考にして練習した結果、球速が3キロ速くなり、最速138キロを記録した。
また、今春の選抜大会で初の8強に進んだ英明高校(香川)の冨岡琥希投手(3年)も、コントロールの改善や球速アップの知恵をチャットGPTに尋ねた。「すべての回答をそのまま信じるのではなく、いろいろな考えを知るための気分転換として使っている」と話し、AIの意見を自分で選択して活用している。
個人だけでなく、チーム全体でデジタルツールを使う学校もある。3年連続で甲子園に出場する岡山学芸館高校は、選手の成績分析ができるスマホアプリを導入した。選手たちは試合の課題をアプリの日記機能に書き込み、監督やコーチと共有している。100人を超える部員とのきめ細やかなコミュニケーションに役立っているという。
AIやアプリの提案をすべてそのまま受け入れるのではなく、自分に必要なものを選び取って成長につなげる。最新のテクノロジーを味方につけた高校球児たちの挑戦が続いている。