地球環境に配慮した食生活を送ることが、脳の健康を守り、細胞の老化を抑えることに役に立つ可能性が示されました。イギリスの大規模な健康調査データをもとに行われた研究により、「プラネタリーヘルスダイエット」と呼ばれる地球に優しい食事を実践する人ほど、脳卒中やうつ病などの病気にかかるリスクが低下することが明らかになりました。
この研究では、イギリスの「UK Biobank」に参加した約6万9370人(平均年齢約56歳)のデータを分析しました。参加者は過去24時間に摂取した飲食の記録を回答し、研究チームは食習慣がプラネタリーヘルスダイエットにどれだけ一致しているかを示すスコアを算出しました。さらに、血液サンプルからコレステロール値や炎症などのマーカーを調べ、身体の機能の衰えを表す「生物学的年齢」を評価しました。
約12年間にわたる追跡調査の結果、プラネタリーヘルスダイエットに最も近い食事を実践していた上位25%の人々は、複数の病気を同時に発症する「多疾患併存」のリスクが19%低いことが判明しました。スコアが最も低かった人と比較すると、脳卒中のリスクが12%、うつ病のリスクが13%、不安障害のリスクが13%それぞれ低下していました。
さらに、血液マーカーの分析から、プラネタリーヘルスダイエットに近い食事をしている人ほど、生物学的年齢が実年齢よりも若い傾向があることも分かりました。食事を通じて炎症などを抑えることが、細胞の老化を遅らせ、脳の障害リスク軽減につながっていると考えられています。
ただし、この研究は観察調査であり、食事法が直接脳の健康改善を引き起こしたと証明したものではありません。研究者は「参加者の多くが中年の白人であったため、多様な国や民族のデータをもとにしたさらなる研究が必要だ」と指摘しています。それでも、地球環境を守る食習慣が私たちの脳や身体の若さを保つ手助けになるという発見は、今後の健康づくりにおいて注目されています。