原爆投下から81年が経過した広島と、かつて旧ソ連によって数多くの核実験が行われたカザフスタンのセミパラチンスク(現セメイ)。今なお核の脅威と被害に苦しむ二つの土地を舞台に、核の負の連鎖を問いかける日カザフ合作の映画制作が進んでいる。
Nを舞台に= set in N / with N as the stage
メガホンを執るのは、元陸上自衛官で被爆二世の佐野伸寿さん(61歳)。佐野さんは1994年、在カザフ日本大使館に出向し、戦後カザフに強制抑留された日本人の帰国支援に携わった。この体験が、後に映画監督として戦争に翻弄された人々の姿を描く原点となった。
Nに翻弄される= to be tossed around by N / to be at the mercy of N
55歳で自衛隊を退職した佐野さんは、交流を続けていた民間人抑留者をモデルに2本の映画を監督し、2023年に公開。作品を観たカザフ政府から打診を受け、今回の共同制作が実現した。
Nから打診を受ける= to receive an approach from N
世界各地で核兵器使用の危険性が懸念されるなか、佐野さんは「核の連鎖を誰が止めるのか、一人一人に問いかける作品にしたい」と語る。国境を超えて平和への訴えを届ける挑戦が続いている。