太陽系の誕生初期の「化石」とも言われる謎多き小惑星の姿を捉えるため、宇宙を旅する探査機が本番に向けた重要な一歩を踏み出しました。
NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査ミッション「ルーシー」は、2027年から始まる木星トロヤ群小惑星への最接近(フライバイ)探査を前に、望遠カメラを使った試験観測の画像を公開しました。
2021年10月に打ち上げられたルーシーは、太陽と木星の重力が均衡する場所に集まる「トロヤ群」と呼ばれる小惑星たちを、12年間かけて順次探査する壮大な計画を進めています。これらの天体は、惑星がつくられた時代の手つかずの情報が残されていると期待されています。
今回、ルーシーは望遠カメラ「L'LORRI」を使い、2027年8月から順次接近する予定の4つの小惑星「エウリュバテス」「ポリメレ」「レウコス」「オラス」を遠方から撮影しました。地球から見る小惑星は太陽の光を正面から受けて満月のように明るく見えますが、探査機が小惑星のすぐ脇を通り過ぎる際には、影ができた複雑な見え方になります。秒速7kmという猛スピードですれ違いながら鮮明な写真を撮るためには、あらかじめ最適な露出や設定を確認しておくことが欠かせません。
探査機は今後、2027年から本格的な接近観測を開始し、各天体まで約480~970kmの距離まで近づきます。太古の太陽系の記憶を秘めた小惑星たちの素顔がどのように解き明かされるのか、世界中の研究者が熱い視線を注いでいます。