中国の経済改革を強い指導力で推進し、「世界の工場」としての発展を支えた朱鎔基・元首相が8月12日、病気のため北京市で死去しました。97歳でした。
朱氏は1990年代から2000年代初頭にかけて、国有企業の再編や金融制度の改革、さらに政府機構の簡素化という「3大改革」を断行しました。既得権益層からの激しい反発に直面しながらも、妥協しない姿勢を貫き、赤字企業の責任者に対して厳しい処分を課すなど、その果断な手腕から「中国のゴルバチョフ」とも称されました。
また、2001年の世界貿易機関(WTO)への加盟交渉でも主導的な役割を果たしました。市場の開放を進めたことで海外からの投資が急増し、中国が急速な経済成長を遂げる基礎を築きました。首相在任中の5年間には、平均で年7・6%の高い成長率を達成しました。
湖南省出身の朱氏は、名門の清華大学を卒業後に政治の道へ進み、1950年代の反右派闘争で一時党籍を剥奪される挫折も経験しました。しかし復権後、上海市のトップとして改革・開放を推進し、鄧小平氏の目に留まって最高指導部へ抜擢されました。
国営新華社通信によりますと、中国共産党は朱氏の功績について「傑出した政治家であり、党および国家の卓越した指導者」と評価しています。強烈なリーダーシップで現代中国の経済発展を切り開いた改革派政治家の死去に、国内外から悼む声が広がっています。