日本で暮らす外国籍の高校生が授業料の無償化支援を受けるための要件が厳しくなり、学校現場や支援者の間で困惑と懸念が広がっている。2026年4月から制度の所得制限が撤廃されたものの、外国籍の生徒に限っては在留資格や居住の実態を示す複雑な書類の提出が求められることになったためだ。
制度の拡充と新たな線引き
この制度は「高等学校等就学支援金」と呼ばれ、公立高校で年11万8800円、私立高校で年45万7200円を上限に学費が支給される。自民党、日本維新の会、公明党の3党合意によって保護者の所得制限が撤廃され、あらゆる生徒への教育機会の保障が目指された。しかし、文部科学省のガイドラインでは、無償化の対象を原則として永住者や将来の永住が見込められる生徒などに限定し、留学生や外国人学校を除外した。
分断やプライバシーへの憂慮
国籍による明確な線引きに対し、申請を手伝う高校の関係者からは疑問の声が出ている。日本国籍の生徒には求められない詳細な証明を求めることで、クラス内で自身のルーツが意図せず周囲に知られてしまう「アウティング」の恐れもある。経済的な理由にかかわらず希望する教育を受けられるようにするという制度の理念と、外国籍生徒への厳しい要件との隔たりが懸念されている。