選択肢のボタンにたった1文字を加えるだけで、物語の展開だけでなくゲームの仕組みまでもが変化する――。そんな独自のアイデアで話題を呼んだテキストアドベンチャーゲーム「MARY - メアリ姫の奪還」の完全版が、PC向けプラットフォームのSteamで制作されることが発表された。開発を手がけるのはインディーゲームサークルの「夜路地」で、2027年のリリースを予定している。
本作は、魔王にさらわれたメアリ姫を救うために勇者が旅に出るという王道のファンタジー作品だ。最大の特徴は、主人公の行動を選ぶボタンに、プレイヤーが任意の1文字を追加できる点にある。たとえば、言葉の意味を変えて勇者に有利な状況をつくったり、あえて奇妙な言葉を生み出したりと、プレイヤーの発想次第で多種多様なストーリーが楽しめる。
元々は1週間でゲームを制作するイベント「Unity1週間ゲームジャム」で誕生した短編で、Webサイトのunityroomで公開された。400通り以上の分岐が用意されており、公開からわずか1週間で50万PVを突破するほどの人気を集めた。
今回制作されるSteam版は、制作期間の制約で削られたアイデアを取り入れ、ストーリーやギミックをunityroom版の5倍以上に拡張した完全版となる。短時間で何度も遊べる手軽さはそのままに、さらに自由度の高い作品へと進化する。
新しい要素として、複数の選択肢ボタンが同時に登場する場面や、設定画面の「ログ」というボタンに1文字足して「ローグ」にすることでローグライクゲームが始まるなど、システム自体を変化させる仕掛けも加わる。
なお、本作は日本語ならではの言葉遊びをコアの体験としているため、他言語へのローカライズは行われない。日本語の奥深さと面白さを詰め込んだ意欲作として、完成に期待が高まっている。