パソコンの操作が得意ではない伝統の職人たちでも、ボタンを1つ押すだけで複雑な仕事を進められる——。神奈川県小田原市にある1871年創業の老舗漬物店「ちん里う本店」が、最新の生成AI「Claude」を使って業務効率化に成功し、注目を集めています。
同店で経営を担当するツォルン・ニコラス専務は、2026年4月にClaudeを導入しました。プログラミングの知識をいかしながら、AIと対話して社内で使うためのさまざまなツールを開発しました。
特に力を入れたのは、パソコン操作が苦手な「梅干し職人」のための管理画面です。これまで長年の経験を必要とした梅の管理作業を、マウスを使わずにボタンを押すだけで必要な情報を確認できるように工夫しました。
また、商品の出荷作業でもAIツールが活躍しています。荷物の積み忘れを防ぐ画面や、海外の顧客向けに書類や案内文を短時間で作る機能も用意されました。これまで1件あたり2時間かかっていた作業が、自動で素早くできるようになりました。
小さな会社では、外部のIT企業にシステム開発を頼むと大きな費用がかかります。しかし、生成AIを活用すれば、自社に必要な機能を自分たちの手で安く開発できます。伝統を守りながらAIを取り入れる同店の挑戦は、地方の老舗企業にとって大きな参考になりそうです。