AIに頼りすぎると、人間は「分からない」と素直に言えなくなり、間違った答えを自信をもって信じ込んでしまうことが、最新の研究結果で明らかになりました。正答率が下がる一方で自分の判断への自信だけが高まるという、AI社会における落とし穴が懸念されています。
実験では、映画に関するマニアックな質問を用意し、AIモデルが正しく答えられないことを確認した上で、参加者を二つのグループに分けて回答を求めました。一方のグループにはAIを自由に使わせ、もう一方にはAIを使わせませんでした。
その結果、AIを使わなかったグループでは44%の人が「分からない」と答えて判断を保留したのに対し、AIを使ったグループでは「分からない」と答えた人がわずか3%にまで激減しました。さらに、AIを使ったグループの正答率は9%にとどまり、AIなしの27%と比べて3分の1にまで低下しました。それにもかかわらず、自分の答えに自信を持っていた人の割合は30%から76%へと倍増していました。
研究者らが正解に金銭的な報酬を出す条件での実験も行いましたが、AIを使った場合の正答率や「分からない」と答える割合はわずかに改善したのみで、AIなしのグループには及びませんでした。研究チームは、AIが身近にある環境で育つ子どもたちに批判的思考を身につけさせることが重要であり、社会全体でリテラシー教育に取り組む必要があると指摘しています。