会場の試遊ブースに行列を作り、プロ顔負けの美しい世界観で来場者を魅了したインディーゲーム「Soom」。この作品を手がけたのは、韓国・釜山にある東西大学校のゲーム学科に通う学生14人のチーム「SmallBoots」だ。本作は彼らの卒業制作として開発され、インディーゲームイベント「BIC2026」のルーキー部門で「Excellence In Art」と「Excellence In Game Design」の2つのアワードを獲得した。
神話的ファンタジーとアクションの融合
「Soom」は、封印から目覚めたトーテムの神「リフ」を操作し、人間の欲望から生まれた怪物に立ち向かうトップビューのアクションアドベンチャーゲームだ。ビジュアルは「Sky 星を紡ぐ子どもたち」をイメージした幻想的な雰囲気が特徴で、静謐な森や遺跡を探索しながらパズルを解き、トーテムを集めて強力なボスと戦う。攻撃とパリィを軸としたスリリングな戦闘は「ゼルダの伝説」シリーズや「Death's Door」を参考にしており、美しいグラフィックと手応えのあるアクションが見事に調和している。
世界観の統一を支えたチームの決断
在学中に3本のゲーム制作を通して経験を積んできた14人のチーム「SmallBoots」だが、開発の道のりは平坦ではなかった。制作の序盤、アートを担当する各メンバーがそれぞれの好みのスタイルで描き始めたため、写実的なデザインと独自のテイストが混在し、色の明暗もバラバラになってしまったという。このままではいけないと危機感を抱いたチームは、開発中盤に1人のメンバーがテクスチャを一手に引き受け、方向性を一本化した。その決断が実りを結び、統一感のある美しいアートワークへと結実した。
卒業制作の先にある現実と次なる目標
彼らにとって卒業制作の最初の大きな目標は、8月末の教授陣による審査を突破し、韓国最大のゲームショー「G-STAR」の大学ブースに出展することだ。現在の完成度は10段階で8から9と自己評価している。一方で、正式リリースに向けてはバグ修正やオンラインでのサポート、さらには14人の全員の合意が必要になるなど、越えるべきハードルも多い。それでも、大学の支援を得ながら「自分たちのゲームを世に届ける」という夢を追い続ける彼らの挑戦に、大きな期待が集まっている。