約17万トンもの処理水を海へ流したにもかかわらず、敷地内に並ぶタンクの保管量はわずか7%しか減っていません。東京電力が福島第一原発で処理水の海洋放出を始めてから24日で3年が経過しましたが、雨水や地下水の流入によって新たな汚染水が発生し続けており、処理水の減少ペースは予想以上に鈍くなっています。
放出開始前の2023年8月時点で、敷地内のタンクには約134万トンの処理水が保管されていました。東電はこれまでに22回、合計で約420日間にわたって放出を行い、今月17日までに約17万トンを処分しました。しかし、現在の保管量は約124万トンで、実際の減少量は約10万トンにとどまっています。事故を起こした原子炉内に残る溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)に雨水や地下水が触れることで、毎日新しい汚染水が作られ続けているためです。
一方で、安全性のモニタリングは続けられており、これまで周辺海域で測定された放射性物質トリチウムの濃度は、最大で海水1リットルあたり61ベクレルでした。これは東電が放出停止を判断する基準(700ベクレル)の10分の1以下であり、異常値は確認されていません。東電の担当者も「安全に放出できている」と説明しています。
しかし、東電は2051年までに放出を完了する計画を立てているものの、汚染水の根本的な原因である燃料デブリの本格的な取り出し作業は遅れています。デブリを取り除かなければ汚染水の発生を止めることはできず、予定通りの期間で海洋放出を終わらせることができるかは、いまだ見通せない状況が続いています。