オンラインで手軽にできる仕事の場として長年使われてきたAmazonのクラウドソーシングサービス「Mechanical Turk」が、2026年9月にサービスを終了します。2026年7月にはすでに新しい利用客の受け入れを止めており、約2カ月で完全に閉鎖されることになります。急な決定により、このサービスに頼っていた働き手や企業は対応に追われています。
Mechanical Turkは、人間が手作業で行うデータ整理や画像チェックなどの仕事を提供するプラットフォームでした。近年は人工知能(AI)の開発に必要なデータのラベル付け作業にも多く使われていました。しかし、Scale AIやMercor、ProlificといったAI学習専門のスタートアップ企業が登場し、利用者がそちらへ移っていったため、サービスの利用は衰退していました。
さらに、作業の品質低下も大きな問題となっていました。スイスの研究者が2023年に行った調査によると、Mechanical Turkで働く人の最大46%が、AIを使って作業を終わらせていたことがわかりました。人間がデータを整理してAIを学習させるという前提が崩壊してしまっていたのです。
サービス閉鎖後、Amazonは返金の保障などを行う予定です。片手間に仕事ができる点が魅力だった利用者は、残り1カ月ほどで新しい仕事場を探す必要があります。また、このサービスを使っていた業界関係者も、「代わりに使えるサービスを探すために奔走している」と指摘しています。