将来執り行われる上皇さまの葬儀について、国民生活への影響や負担を極力減らすため、既存の皇居・宮殿で実施する方向で宮内庁が調整を進めていることが明らかになりました。かつて昭和天皇の葬儀では新宿御苑が長期間閉鎖されましたが、今回は市民が利用する公共の場所を占用せず、参列者の規模も縮小する見込みです。
上皇さまは天皇在位中の2013年、自身の葬儀や陵(墓所)に関して「できる限り国民生活に影響を与えないものにしたい」という「お気持ち」を公表されていました。具体的には、日常的に利用されている施設を長期間占用しないこと、設営のために多数の樹木を伐採しないこと、そして出席者の安全を確保できることを望まれていました。2016年の退位の意向を示すお言葉でも、昭和の終わりを振り返り、社会の停滞を気にかけるお考えを示されていました。
皇室の葬儀は、国の儀式である「大喪の礼」と皇室行事の「大喪儀」に大別されて執り行われます。昭和天皇の際には新宿御苑に「葬場殿」という儀式用の施設が建設されました。しかし、皇居・宮殿を活用すれば新たな設営や一般公園の長期占用が不要となり、周辺への影響も大幅に抑えられると見込まれています。
現在92歳になられる上皇さまは、退位後は公務から退かれ、赤坂御用地の仙洞御所で暮らされています。心臓の持病に対して投薬治療を続けながらも、上皇后美智子さまと敷地内を散策されるなど、お穏やかな日々を送られています。