日本で長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時3%を超え、およそ30年ぶりの高水準となった。長年続いた「超低金利時代」が終わりに近づく中、住宅ローンの金利も上昇しており、家計への負担が増している。関西みらい銀行個人部の大道紀男さんは、ここ数年で金利上昇局面に入ったと説明する。
すでに住宅ローンを返済中の家庭では、影響が具体化している。15年前におよそ4200万円の一戸建てを購入した61歳の田中さん(仮名)は、変動金利の月々の返済額が当初の約9万4000円から1万円以上増加し、10万円を超えた。ボーナス払いも含めると年間で約18万円の負担増となり、物価高や定年後の再就職の難しさも重なって返済が厳しくなっている。
田中さんは今年1月、住宅トラブルの支援団体に相談し、1年間は利息のみを支払って返済期間を延ばす「リスケジュール」を選択した。さらに年金の繰り上げ受給を決めることで、自宅を手放さずに生活を立て直す道を選んだ。近畿任意売却支援協会の佐野雅史代表は、定年退職をきっかけに返済計画が狂う事例は多いと指摘し、早期に複数の窓口へ相談して最適な選択肢を見つける大切さを語っている。
新しく住宅を購入する人々の間にも不安が広がる中、住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営するモゲチェックの塩澤崇取締役によると、金利上昇の報道後に問い合わせが通常の2倍から2.5倍に急増したという。現在、固定金利は約3.2〜3.3%、変動金利は1%強で約2.2%の差があり、計算上は変動金利が有利とされる。しかし塩澤氏は、変動金利には将来の上昇リスクが伴うため、予期せぬ金利変動に備える心がけが不可欠だとアドバイスしている。