「米国版ノーベル賞」とも称される米の権威ある医学賞「ラスカー賞」に、睡眠研究や血友病治療薬の開発で大きな成果を上げた日本人4人が選ばれた。米のラスカー財団が9日に発表したもので、受賞者には部門ごとに25万ドル(約3800万円)が授与される。
基礎医学部門で選ばれた筑波大の柳沢正史教授は1998年、体内で「オレキシン」と呼ばれる神経伝達物質を作れないマウスが、突然強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」に似た症状を示すことに着目。脳内でオレキシンが覚醒の維持に関わっていることを明らかにした。同時期に犬の遺伝性ナルコレプシーの原因遺伝子からオレキシン受容体にたどり着いた米スタンフォード大のエマニュエル・ミニョー教授とともに、睡眠のメカニズムを解明した。両氏の研究は、新しい不眠症治療薬やナルコレプシー治療薬などの創薬につながっている。
また臨床医学部門では、中外製薬(東京都)の服部有宏・元シニアフェロー、井川智之研究本部長、北沢剛久研究副本部長の3人が選ばれた。3人は、血液の凝固に必要な2つの異なる物質の橋渡し役となる特殊な抗体を開発。血が固まりにくい疾患である血友病Aの治療薬「ヘムライブラ」の創薬に貢献した。この独創的な抗体医薬の技術は、これまでに11種類ものがん治療薬にも応用されている。
このほか公共奉仕部門では、1998年にパーキンソン病を公表した後も患者の声を社会に届け、研究基金を創設して研究を加速させた米俳優のマイケル・J・フォックスさんが選ばれた。同賞の過去の日本人受賞者には、ノーベル生理学・医学賞を受賞した故・利根川進さんや山中伸弥さんらが含まれている。