太陽系の外側からやってくる「長周期彗星」の軌道は、過去に太陽系の近くを通った恒星「HD 7977」の重力から強い影響を受けているという研究が発表されました。
長い周期で太陽のまわりを回る長周期彗星は、太陽系の最も外側にある「オールトの雲」からやってくると考えられています。これまでは、天の川銀河の重力(銀河潮汐力)によって彗星が太陽系の内側へ送られると考えられていました。しかし、新しく発見される彗星の飛んでくる方向を調べると、特定の方向からではなく、あらゆる方向からランダムに飛んできていることがわかりました。
研究チームは、地球から約247光年離れた場所にある恒星「HD 7977」に注目しました。この恒星は、約250万年前に太陽系の非常に近くを通過したことがわかっています。シミュレーションを行った結果、HD 7977が太陽から約6000から1万天文単位(1天文単位は太陽と地球の間の距離)の距離を通り抜けたと考えると、現在の彗星の軌道データと非常によく一致することがわかりました。
HD 7977がこれほど近くを通った場合、その強い重力によって「オールトの雲」の天体が一度に太陽系の内側へと押し出される「彗星シャワー」が発生します。現在、太陽系の内側に飛来する長周期彗星の数は、通常よりも約2倍多くなっている可能性があるそうです。
研究者は、「私たちは今、HD 7977の影響による彗星シャワーの終わりの時代を生きているのかもしれません」と話しています。