宇宙の歴史のなかで発生した無数の超新星爆発による「超新星背景ニュートリノ」の兆候を、岐阜県飛騨市の「スーパーカミオカンデ」が世界で初めて捉えました。東京大学宇宙線研究所などの「スーパーカミオカンデ国際共同研究グループ」が発表しました。
太陽よりも重い恒星がその一生を終えるときに起こす「超新星爆発」では、膨大な数のニュートリノが放出されます。このニュートリノは宇宙に満ちており、地球にも絶えず降り注いでいますが、物質とほとんど反応しないため、これまでにその「ささやき声」を直接検出することは極めて困難でした。
今回の研究では、タンクに純水をためていた2008年から2020年までの3349日間と、検出感度を高めるためにガドリニウムを加えた2020年以降の1653日間、合わせて5002日間のデータを解析しました。宇宙線や大気ニュートリノといった他の要因による雑音を綿密に排除したところ、超新星背景ニュートリノによるものとみられる信号が残りました。
この信号は、毎秒1平方センチメートルあたり約3.6個のニュートリノが地球を通過していることを示しており、従来の理論予測と一致します。この結果が偶然に生じる確率は約0.5%(2.6シグマの有意性)であり、科学的な「発見」(5シグマ以上)にはまだ達していませんが、その「兆候」を捉えたことは確実な一歩です。
今後さらに観測データを蓄積することで「発見」へとつながれば、宇宙におけるブラックホールや中性子星の数、さらには元素合成の歴史などを解き明かす重要な鍵となることが期待されています。