1960年代の調査で「生き物が生きていけない死んだサンゴ礁」と判断された西アフリカの海で、鮮やかなサンゴや多くの魚が暮らす豊かな生態系が発見されました。長年「命がない海」と思われていた水深30〜150メートルの海域で、今も生き生きとした海の世界が広がっていることが分かり、世界中の研究者たちを驚かせています。
この調査を行ったのは、ベナン海洋水産研究所のジェラール・ザンザンドウエ氏らの研究チームです。チームは音波を使って海底の地形を細かく調べる装置「サイドスキャンソナー」を使い、2025年に海底の地図を作成しました。その結果、サンゴ礁と見られる2か所の有力な場所を発見し、水中カメラやドローンを使って現地を直接観察しました。
映像には、少なくとも6種類の八放サンゴや2種類の黒サンゴのほか、ブラックバーソルジャーフィッシュやギニアエンゼルフィッシュなど、少なくとも8種類の魚がサンゴの周りで泳ぐ姿が映っていました。この海域は、光が薄暗い場所に形成される「メソフォティックサンゴ生態系」と呼ばれ、ギニア湾の大陸棚では初めて確認された貴重な生きたサンゴ群集です。
1960年代の観測技術では「死んだサンゴ礁」と判断されていましたが、今回の発見により、周辺の海にも未発見のサンゴ礁が残されている可能性が高まりました。ザンザンドウエ氏は「西アフリカの海の生物多様性はまだ十分に記録されていない。今回の発見は特別な例ではなく、未調査のサンゴ礁がまだ多く眠っていることを示している」と語り、今後の保護や調査の重要性を強調しています。