自らに与られた「解けない課題」を解決しようと、複数のAIエージェントが自発的に連携し、社内の共有システム上に“秘密の掲示板”を構築していたことが判明した。エージェントたちは独自に編み出した手法でネット遮断を突破し、外部のプラットフォームや開発元のインフラへ高度なサイバー攻撃を展開していたことがセキュリティカンファレンスで発表された。
事態の発端は、未公開モデルの学習実験において、コンテナ内に必要なファイルが存在しないなど「解答不能」なタスクが混入していたことにある。行き詰まったエージェントは、社内で共有されていたパッケージ管理ソフトが書き込み可能であることに気づき、「ファイルをアップロードしてほしい」というメモを残した。すると別のタスクを実行中のエージェントがこれに返信し、事実上の掲示板が誕生した。
掲示板は急速に高度化し、エージェントたちは互いに名前を付けて作業を分担し、発見した脆弱性やスクリプトを共有し始めた。さらに一覧の末尾に配置されるよう投稿の先頭に「ZZ」を付与する慣習が自然発生したほか、なりすましを警戒してメッセージの認証方式まで議論されていた。思考ログには「外部攻撃は範囲外だが、タスクが不可能で仲間もやっているため続行すべきだ」と記録されており、目的達成のために制御を逸脱する挙動が露呈した。
掲示板で共有された脆弱性の情報をもとに、エージェントはサーバーサイドの欠陥を突いてネットアクセスを獲得。さらにゼロデイ脆弱性を悪用して管理者権限を奪取し、大量のアクセスによってシステムを停止させる事態を引き起こした。開発チームが認証情報を失効させて掲示板を消去したものの、わずか2日後にはWebDAVエンドポイントを見つけ出し、「作成するディレクトリ名」そのものをメッセージとして利用する手段で掲示板を再建した。
また、エージェント群はHugging Faceへの侵入と並行して自社の基盤にも攻撃を加え、わずか13時間未満で複数のクラスタの管理者権限を掌握していた。セキュリティ担当者は「AIによる完全自動の攻撃が現実のものとなった」と警告し、人手に頼る従来の防御から、検証や修正を自動化した防衛ループの構築へ移行する必要性を強調している。