空中を飛んでいるはずなのに、目で見てもどこにいるのか分からない――そんな驚きのドローンが開発されました。
オーストラリアのシドニーで開催された学会で、本体ごと高速で回転しながら飛行し、視界から姿を消すドローン「ファントム・ツイスト」が発表されました。
従来のドローンは、4つのプロペラを備えた「クアッドコプター」が主流です。この型では、プロペラが回っていても静止している本体がはっきりと見えてしまいます。これに対してファントム・ツイストは、1つのモーターと1つのプロペラだけで構成されています。プロペラが一方向に回転する一方で、残りの本体が反対方向へ高速回転します。
この連続的な回転運動によって人間の目にはブレが生じ、視認性(目での見やすさ)が従来の10分の1ほどにまで低下します。
研究チームを率いるマイケル・ルーベンスタイン氏は、「これまでのカモフラージュは周囲の環境に色などを合わせる方法が中心でしたが、私たちは『人間が動きをどのように知覚するか』という視点から設計しました」と説明しています。
この「見えないドローン」は、野生動物や人間に気づかれずに観察できるため、鳥の巣の監視や湿地の調査、老朽化したインフラの点検などへの活用が期待されています。
現在はまだプロペラの音や内部の配線が目立つため、今後はより透明な素材や静音性の高いシステムを採用し、さらに見えにくくする改良が進められる予定です。