自分の描いた漫画の中に取り込まれた漫画家が、過去と向き合いながら脱出を目指す——そんなユニークな心理ホラーゲーム「Yūrei」が注目を集めています。フランスの学生チームが制作したこの作品は、漫画の本のページを舞台にした不思議な世界観とシステムが特徴です。
主人公は、ジュンという名前の漫画家です。彼は自分の作品の中に迷い込んでしまい、外へ出るためには過去と向き合いながら物語を最後まで書き終わらせなければなりません。画面には本の見開きが表示され、平面のコマの中に立つキャラクターを3D空間のように前後左右へ動かすことができます。まるで紙の上を歩きながら、漫画の内側に入り込んだかのような感覚が味わえます。
ゲームの大きな要素の1つが、本そのものを操作してページをめくる「ナビゲーションモード」です。前のページに戻ると、まだ描かれていない下描きや空白のコマが見つかります。探索してインクを集め、絵を描き直すことで新しい道が開きます。過去のページを変えると未来の展開も変化し、物語が枝分かれしていきます。
また、勝手に物語を書き換えられることを嫌う漫画そのものが敵となり、主人公にモンスターを送り込んでくる恐怖もあります。倒れたり穴に落ちたりして死んでしまっても、過去のページに戻ってやり直せる仕組みになっています。
このゲームは、フランスの大学でゲーム開発を学ぶ学生たち10人が卒業制作として作りました。韓国で開催されたイベント「Busan Indie Connect Festival 2026」で展示され、資金を集めて1年以内の完成を目指しています。現在はitch.ioで体験版が無料公開されており、将来は日本語対応も期待されています。