自分のイラストや文章などの作品が生成AIに無断で学習され、「ただ乗り」されるのではないかというクリエイターの懸念が高まっている。こうした不安に対処するため、政府はAI開発事業者向けに、知的財産権の保護と学習データの透明性確保を求める新しい指針である「プリンシプル・コード」を発表した。
この指針は、日本国内でAIサービスを提供する海外企業も含め、AIの開発や提供を行う事業者を対象としている。政府が示した原則は大きく3点ある。
1点目は、AIモデルに関する情報の公表である。事業者は、AIの構造やライセンス、学習方法や使用したデータに加え、著作権などの知的財産権を守るための取り組みを自社のウェブサイトなどで開示することが求められる。
2点目は、著作権者からの問い合わせへの対応だ。自分の作品と酷似した画像や文章がAIによって出力された際、クリエイターが「自分の作品が学習データに含まれているか」を確認できるようにする手続きを整える。
3点目は、AIサービスの利用者からの開示要求への対応である。利用者が生成されたコンテンツと似た他人の作品を発見した際、トラブルを避けるために学習データを確認できるようにする仕組みが含まれている。
ただし、このルールには法的な拘束力はない。事業者は原則に従うか、従わない場合はその理由を説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」という方式が導入されている。政府は指針を受け入れた事業者の対応状況を公表する方針で、事業者の自主的な改善を促す狙いがある。